なぜイタリアの”食”なのか

LILIVは「世界のグッドライフをモノやサービスで交流させる」を企業理念に日々の暮らしに直結する商品やサービスを扱う企業として創業しました。それから今日まで、ずっとイタリアの”食”を中心に事業運営しています。

なぜイタリアなのか?食なのか??

そこには、単に食材が良いから、料理やワインが美味しいから、という理由だけではなく、歴史の成り立ちは全く違えども、奇しくも両国に共通する多様な食文化が根付いた地理的・社会的な背景に、現代の日本人として「愛でる」べき大きな魅力を見出してしまったからなのです。

パッケリ

1. 地理的な魅力

イタリア半島のロケーションは北緯約36度~47度、南北の長さは約1000kmにわたります。北はアルプス山脈にまたがり、南は地中海に突き出し、最南にあるシチリア島の対岸にはアフリカ大陸が迫っています。半島の中央には東西を分けるようにアペニン山脈が縦断し、南部には活火山がいくつか存在します。「アルプス山脈からアフリカ大陸の対岸まで」、これがイタリア半島の地球におけるポジショニングです。

そしてこの地域における気候面。国土のほとんどが地中海性気候で、北中部の一部が温暖湿潤気候、最北部一帯は冷帯湿潤気候です。つまり穀物・野菜・果物に関して、最北部はアルプスの恩恵を存分に受けながらもその以北ほど品種に制限されることなく、最南部も熱帯種に偏ることはありません。

さらに、微生物が生息する上で大変重要になってくる土壌。アルプス山脈と麓の地域~アペニン山脈とその東西~地中海・アドリア海沿岸部~南部火山帯地域に至るまで、各地域に個性の異なる多種多様な土壌が存在します。

食材を扱う貿易商人としてこの土地以上に宝探し意欲を掻き立てられる国や地域は見つかりませんでした。これが一つ目の魅力です。

2. 郷土の魅力

近代史に目を向けると、イタリアという国ができたのが1861年。それ以前は、イタリア半島はいくつかの都市国家(コムーネ:現在の基礎自治体を意味するコムーネとは異なる)と教皇領で成り立っていました。現在の20州まで多くはありませんがルネッサンス期にはその数に匹敵するくらい多くの国が存在し各地域に独自の食文化が発達していったのです。余談ですが、このルネッサンス以降の政治・社会の変遷がイタリアとフランスの食文化を大きく異なるものにしていったようです。

各都市国家の人々からすると、ある時から”イタリア王国”として統一されても、もともと“その都市国家・コムーネの人間”という意識が強く、食文化においても各地域の特性がずっと存続し継承されていったのです。日本も古くは自分たちの故郷を“お国”と呼んでいましたが、島国日本とは異なり多くの民族が主導権を争うヨーロッパ大陸においてイタリア半島の中で“国家”として分かれていました。

(人々に移動の自由がない地方自治が完結した幕藩体制の江戸時代の日本においても、当時の人々には“日本”という国家の意識はなく、人・モノ・情報が流通しない(少ない)中で郷土色の強い食文化が地域に醸成されていったと考えます)

今日までイタリア15州を巡りました。どの州・地域に行っても郷土料理があり、その郷土料理と地産ワインが一緒になって、ひとつのスローフードとしての食卓が出来上がります。つまり、イタリア料理とは総称であり、モザイク画のように各地域にそれぞれの郷土料理が存在するということを身を持って知りました。ワインに使用されるブドウの品種にしても400種以上あるといわれています。郷土料理とのマッチングのマトリックスはほぼ無限大です。このイタリア食文化の頑な地域多様性。これが二つ目の魅力です。

3. 日本とイタリア、対比から見える魅力

1868年の明治維新。イタリア建国のわずか7年後です。両国ともに激動の19世紀後半と20世紀を駆け抜け、今日の日本にも各地方の郷土料理が引き継がれ、数多くの個性豊かな地酒があります。国土は縦長で、日本列島の南北緯度の範囲にイタリア半島がほとんどすっぽりはまります。気候風土は地域によってはかなり異なりますが両国で同時期に四季を楽しむことができます。イタリアの新しい地域を訪れそこの郷土料理に出会うと、日本ならどの地方にあたるかな、旬な食材にはこんな共通点があるな、又は、このワインにはあの和食でも合いそうだ、なんてことが自然と思い浮かんできます。そんな時、「イタリアの郷土料理を最も楽しめるのは実は日本人なのではないのか」と真剣に考えてしまいます。逆に、イタリア人の中にもSUSHIばかりでなく日本の伝統的な食文化や共通する郷土性に興味を持ってくれる人が増えれば良いのに、と訪れるたびに感じます。

“イタリアを以て鑑と為す”。イタリアの郷土に目を向けることによって、自らの郷土を見つめ直すきっかけになる。これが三つ目の魅力であり、イタリアに何度でも足を運びたくなってしまう最大の要因の一つではないでしょうか。


日本には数多くのイタリア食材やワインがすでに輸入されているのは周知のとおりです。しかし、ニッチだけれど唯一無二な土着の食材やアーツアンドクラフツな知られざる小規模生産者のワインは各地に存在します。そして郷土料理も化石ではありません。少しずつアップデートされていきます。そのような時代の流れの中で日本人の暮らしにフィットするグローバルにローカルな逸品を発見する企業として、今後もユニークで少しマニアックな提案を続けていきたいと考えております。

Company│会社概要

社名

代表

事業概要

有限会社リリブ LILIV Co., Ltd.

代表取締役 角田 豊

食品・酒類及びクラフト商品の輸出入及び国内販売

沿革

2007年 LILIV Co., Ltd.に商号変更(前身は家具屋)

    イタリア食材輸入開始

2008年 ジェラートブランドMILLEの運営開始

    イタリアワイン輸入開始

2009年 宇治抹茶製品をヨーロッパ向けに輸出

2013年 関連会社(株)Magnolia設立(飲食店経営)

2014年 クラフトビール輸入開始

    クラフト・ヴィンテージ製品輸入開始